うさぎの島で癒される。戦争の記憶を残す大久野島で感じるもの
こんにちは、たけのこです。
広島の大久野島という島をご存知でしょうか。
ウサギの島として有名な島なので知っている方も多いと思います。今でも約700羽のウサギが暮らしています。
私も広島に住んでいた時に一度訪れたことがあります。
今回はその時の話を書きたいと思います。
うさぎの島で癒される。戦争の記憶を残す大久野島で感じるもの
大久野島へはフェリーで
大久野島はその名の通り、島ですのでフェリーで向かいます。
JR呉線の忠海駅から徒歩5分ほどのところにフェリー乗り場があり、約15分ほどで大久野島へ行くことが出来ます。
船から見た大久野島です。
島の全景はこんな感じです。
ウサギが多いのは休暇村本館や毒ガス資料館のあたりですかね。
上陸したら、海岸線を歩き内陸に向かっていきます。
しばらく歩くと、そこからはウサギの世界です。
人懐っこいうさぎたち
なんてウサギってかわいいのでしょうか。
通常野生のウサギであればこんなに近づけません。
しかし、大久野島には餌付けされてる子もいるので、人に慣れたうさぎたちは自然と寄ってきます。
逆に人に近づかない子たちも多いんですけどね。
いきなりウサギに囲まれるとそれだけで癒されるものです。
こうして足元に寄ってきて、日陰代わりにされます。
手を出すと、こうしてすぐエサを求めて近寄ってきます。
残念ながら私は何も持ってないので思わせぶりをして、ウサギとじゃれてました。
やな奴ですね。
それでもみんな、おねだりしてきます。
そんな目で見るなよって。
こんなに迫られたら、なんかあげたくなっちゃうんですけど、でも何も持ってなかったんですよ。
自分の食料すらなくて、お腹空かせてたくらいなので。
こんなかわいいウサギの楽園となっている大久野島には、悲しい過去がありました。
日本軍の毒ガス研究所だった大久野島
大久野島は1927年ごろから旧日本軍の毒ガス研究所として開発がすすめられました。
主な製品はイベリット、ルイサイトといわれるびらん性ガスと呼ばれ、人間の皮膚をただれさせる性質を持っていました。
最終的にこの島で作られた毒ガスの量は6600トンとも言われ、とてつもない量の大量破壊兵器が開発されていたのです。
その動物実験のために、繁殖をさせやすいウサギが選ばれたのでした。
ウサギは一度に6羽ほど出産しますからね。
今でも残る毒ガスの貯蔵施設
毒ガスの貯蔵施設後は今でも残されています。
中が黒焦げて見えるのは、戦後に毒ガスを処分するため火炎放射器で消毒したときの名残だそうです。
そのほかにも島を防衛するための、高射砲台の跡や武器の保管庫が残されています。
この島は日本地図からも消され、秘密裏に毒ガス研究をしていたことから、米軍の偵察機が来ても見つかることを恐れて、高射砲が使われることはなかったそうです。
このように島のあちこちに戦時中の格納庫が今でも残っています。
日本人は加害者でもあり被害者でもある
広島は長崎と並び、唯一の被爆地です。
でも一方でこうした軍事基地が点在していました。
特にこの大久野島は人体に大きな悪影響を及ぼす化学兵器の製造場所でした。
ウサギたちは当時、毒ガスの被験体として、または戦時中の食糧難の時には食用にされていたのです。
このウサギの島が伝えてくれるのは、日本人は戦争の加害者でもあり、被害者でもあるということ。
私達はそれを忘れてはならないし、人が人を殺しあう事、自然環境を破壊し続けることを否定していかないといけないと感じました。
ウサギ目当てでもいいので一度訪れてみてください
ぜひ、ウサギ目当てでもいいので大久野島を訪れてみてください。
とにかく癒され目的でいいです。
ウサギをみて歩いているだけで、旧日本軍の足跡が見れると思います。
歩いてみると、実際に目で見なければ生まれない感情が湧いて来るはずです。
島内には毒ガス資料館もあります。
入場料はかかりますが、100円とお安くなっていますので、是非こちらもお立ち寄りください。
戦争時の加害者としての日本が見えてきます。
それを理解しなければ本当の意味で、平和は語れないように思うのでした。
大久野島の詳細
アクセス:JR呉線「忠海」駅からフェリー乗り場まで徒歩5分
フェリー:1時間に一本程度
フェリーHP:時刻表 | 大三島フェリー株式会社
毒ガス資料館の詳細
開館時間:午前9時〜午後4時30分(入館は4時まで)
休館日:年末年始(12月29日〜1月3日)
入場料:19歳以上一般100円,19歳未満一般 50円,団体
電話番号: 0846−26−3036