国境なんて意味がないと語るバールレナッサウの子供達
こんにちは、たけのこです。
あなたは「バールレナッサウ」という町をご存知でしょうか。
町の中に21か所も国境がある街です。
世界が自国優先に舵を切りかけている現在、今回は国境の話です。
国境なんて意味がないと語る子供達
日本では国境の感覚を感じられない
日本は島国なので、大陸のように国境が地続きという場所はありません。
そのためか、私は国境というものを感じたことがあまりなく、日本という国は日本列島の形で感じていました。
初めて国境を感じたのはヨーロッパに行ったとき。
それはチェコにオーストリアからバスで移動していた時でした。
オーストリアとチェコには国境での入国審査があったのです。
しかし、そこは麦が広がる農村地帯。
「国境は地図の上にしかない」
という言葉を聞いたことがありますが、こういう事かと知ったのはその時でした。
バールレナッサウについて
バールレナッサウはオランダの町です。
バールレナッサウはオランダとベルギーの国境から5キロほどオランダに入った場所にあるのですが、なぜか飛び地のようにベルギーの町が点在しています。
上の画像の黄色部分がベルギーです。
ベルギー領はバールレヘルトフといいます。
このような領地になった経緯はローマ帝国時代までさかのぼるようなので、今回は割愛します。
バールレナッサウの子供たちの言葉
あるテレビ番組でバールレナッサウの子供たちにインタビューをしていました。
その回答に私はとても未来を感じました。
Q「君たちにとって国境とはなんだい?」
A「ベルギーとオランダは友達だ」
「ただの街に引いてある線だね」
「ワールドカップのサッカーの時に応援するチームが違う事」
「だから国境なんて意味がないよ」
バールレナッサウの子供たちは国というアイデンティティに縛られずに、お互いを人として認めあっていたんです。
国境を壁にする社会の流れ
アメリカのトランプ大統領はメキシコとの国境に壁の建設を進め、イスラム系の国からの入国拒否、トルコ人へのビザの発給停止など、自国第一主義を取っています。
イギリスもブレグジット、EUからの脱退を国民投票で決め、EU加盟国との間に壁を築こうとしています。
そのほかにも、世界各地で右派の政党が支持を伸ばしつつあります。
「国境は地図の上にしかない」のだけれども、今の社会の流れは人と人との間に壁を作り始めているのです。
バールレナッサウの子供たちのように
「国境なんて意味がない」
と言える社会の実現には、まだまだ道のりが遠いようです。