たけのこブログ

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害獣駆除に学生を関わらせることがなぜ「教育上、問題」なのか

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あなたは小中高の学生に動物駆除を経験させることについてどう思いますか。

 

先日、こんなニュースを見かけました。

www.sankei.com

「キョン」を駆除する事業のロゴマークを募集するだけで、「駆除に子供を関わらせるのは教育上、好ましくない」とは、どういうことなのでしょうか。

 

記事の最後に

町議会全員協議会で教育上の問題や「特定外来生物の問題を小、中学生が理解するのは難しい」

www.sankei.com

とあります。

納得がいかないので意見したいと思います。

 

本当に小、中学生が理解するの難しいと思ってる?

動物を駆除することを問題とするのであれば、私たちの食している肉、魚も小中学生には理解が難しいのでしょうか。

 

物心ついた時から、私たちは肉、魚もしくはその加工品を口にして生きてきています。

大島町議会は、子供たちが肉、魚が生きていた動物の命を奪うことによって、食べられているということを理解できないと思っているのでしょうか。

 

教わらなくたって知っているんじゃないです?

特に大自然に囲まれた伊豆大島でなら、釣りや漁をしているのを見ているでしょう。それと何が違うのか。

 

「理解するのが難しい」と思っているのはこの町議会だけで、子供たちは十分自然の摂理を知っていると思います。

 

逆に、知らないのであれば生きた教材が目の前にあるのに、なぜ学ばせないのでしょうか。

 

人と野生生物の戦いは始まっている

 私たちの生きている土地は物凄い勢いで野生生物たちに侵食されています。

それは日本固有の生物だけでなく、特定外来生物と呼ばれるグローバル化によってもたらされた本来日本にいない生物たちとともにです。

 

千葉県のイノシシの生息状況を例に見てみましょう。

 

イノシシは一度に5頭ほど子供を産みます。

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ウリ坊を見にまたまた秩父へ : 暇人の週末記録(MT-09ブログ)

ウリ坊かわいい…

とても愛らしいです。

 

しかし、大人になれば体重は60~70㎏、走る速さは45km/h  (人類最速のボルトでさえ36km/hほど)、これだけの重量と運動神経を兼ね備えているため、生身の人間では太刀打ちできません。

 

これはイノシシの捕獲した位置と捕獲頭数を地図上に示したものです。

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https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/jigyoukeikaku/documents/1-keikaku-inosisi.pdf

 2000年から2013年にかけて爆発的にその生息範囲を広めていることがわかります。

まもなく都市部にもイノシシが侵食していくでしょう。

見る限り東京でイノシシと共存する時代も遠くないかもしれませんね。

 

イノシシだけでこれです。

 

他にも鹿やキョン、ハクビシン、アライグマなどさまざまな鳥獣が人の住むエリアに進出しています。

 

農産物被害も深刻

鳥獣が私たちが住む都市に出没すること以外にも、農産物に対する被害も深刻です。

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農林水産省ホームページ

このように毎年200億円もの被害が引き起こされているんです。

 

スーパーではキャベツ一個100円で買えることを考えたら、200億って金額がいかに大きく、被害に遭っている農家にとって深刻かわかると思います。

 

我々を守ってくれていた狩猟者は年々減少

これまで、こういったイノシシやシカなのどの鳥獣を捕獲してくれていた、狩猟者は年々減少しています。

しかも、免許取得者の多くは60歳以上です。

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 農林水産省ホームページ

 昭和50年第には52万人いた狩猟者も、今や1/3程に減っておりその多くが高齢者なのです。

 

これまで、自然動物との垣根を作ってくれていた人たちがいなくなる中で、

増え続ける鳥獣に我々はどう立ち向かっていくのでしょうか。

 

「教育上、問題」と言っている人は現実を見ているのか

 今回の町議会はロゴの作成で「教育上、問題」と発言していますが、私は鳥獣を捕まえて、絞め、肉にして食べるくらいのことを授業でやるべきだと思っています。

それが教育ではないでしょうか。

 

何が問題なのか。

動物を殺すことが残酷だから?

動物愛護の精神?

生物多様性の問題?

 

それなら一度、食肉加工場の見学を授業に取り入れるべきです。

いかに毎日、多くの牛、豚、鳥が食肉に加工されていくか見せれば、衝撃は大きいと思います。

 

「いのちの食べかた」というドキュメンタリーがあります。

実際の食肉加工場や野菜の加工場をナレーション一切なしで、ただその映像だけを見せるものです。これを見るとスーパーに並んでいる肉や魚が食べられなくなるかもしれないくらい、ショッキングな現実が見れます。

 

機械化によって自動で高速に裁かれていく牛や豚、鳥、魚を見ていると、スーパーに並んでいる食材がなぜ安いかよくわかりますよ。

興味があるかたは是非見てほしい作品です。

 

ちょっと話はそれましたが、

私は自分たちが置かれている環境、そして食べているものについてもっと知らないといけないし、子供たちに現実を教えないといけないと思います。

子供は大人が思うよりずっと、感性がいいですしね。

 

今回のニュースの内容が事実だとすれば、現実から目を逸らしている大島町議会の決定はまことに遺憾です。

(一度、遺憾を使って見たかった。)

 

あなたは現在進行形で進む社会問題を学生の教材にすることについて、問題と思いますか?