「世界一キライなあなたに」尊厳死と自殺の違いに複雑な感情を持たされる映画でした
Amazonプライムで動画をみようと検索中していたら、ふと、この作品と出会いました。
「世界一キライなあなたに」(原題: Me Before You)
身体障害者の尊厳死を扱ったこの作品。
原題と邦題の解釈がなんか納得いかないなぁと思いながら何も考えずに見たら、感動とか面白かったとか、そういう感情ではなく、とても複雑で胸が苦しくなる映画でした。
単なるラブロマンスと思ってみたら危険ですよ。
先日、若者の自殺について記事を書いた時に「生きる」をテーマにしたこともあり、自分の中で考えの整理ができなかったのでしょう。
今回はこの映画のレビューと言うよりも、テーマになっている「尊厳死」について、「生きる」ことと絡めて意見したいと思います。
「世界一キライなあなたに」とは
ストーリーの概要はこんな感じです。
(ネタバレあります。)
主人公のルーは、イギリスの田舎町に暮らす26歳の女性。働き手のいない家族を抱えながらカフェでウェイトレスをしていた。ところがある日、カフェのオーナーが店を閉じることになり失業する。それでもなんとか見つけた介護の仕事は、あらかじめ6か月と契約期間が定められていた。
ルーが介護を担当することになったのは、元実業家で大富豪のウィルという青年であった。ウィルは2年前にオートバイにはねられてから車椅子生活を余儀なくされる。事故により重度の脊髄損傷を負って四肢麻痺になっていた。生きる希望をなくしたウィルは周囲に心を閉ざすようになる。介護をすることになったルーに対しても、はじめは冷淡な態度をとっていたウィルであったが、ルーの懸命な努力に少しずつ打ち解けていき、やがて二人は恋に落ちる。
かつての自分を取り戻したウィルとルーの恋は順調に進むが、以前から決めておいた6か月の期間が終わるころ、ウィルには安楽死にしてもらう予定があった。クライマックスでは、その予定よりも早く、二人だけの旅行で訪れた海辺に入水し、幸せの絶頂の中で自殺をはかろうとするが、ルーの必死の説得によって未遂に終わる。
最終的にウィルは自分の意志を貫き、スイスの自殺幇助機関ディグニタスへ向かう。
簡単に言うと、主人公ルー(女性)が交通事故に遭い全身不随となったウィル(イケメンの方)と出会い、恋に落ちるが、ウィルは生きる希望を失っており、ルーと出会う前から決めていた日に尊厳死をする。
すごい掻い摘んで書くとこんな感じです。
イギリスの田舎の美しい風景とともに、ありきたりなストーリーなのかなって、感じで見てたら、ウィルの安楽死の計画が判明してから一変します。
たぶんこういう映画って女性向けであまり男性が見ない題材だと思いますが、これは男女、年齢問わず、見てほしい作品です。
「尊厳死」と「自殺」に違いはあるのか
安楽死と尊厳死が混在しているので、この後から「尊厳死」に統一して書いていきますね。
「尊厳死」とは何か
日本尊厳死協会によると尊厳死とは
尊厳死とは、不治で末期に至った患者が、本人の意思に基づいて、死期を単に引き延ばすためだけの延命措置を断わり、自然の経過のまま受け入れる死のことです。本人意思は健全な判断のもとでなされることが大切で、尊厳死は自己決定により受け入れた自然死と同じ意味と考えています。
と定義されています。
ここでのポイントは日本尊厳死協会は「不治で末期に至った患者」が自らの意思決定によって延命措置をやめるということ。
自殺と何が違うのか。
自らの意思において「命を絶つ」という行為においては、尊厳死も自殺も違いはないでしょう。
日本尊厳死協会の言葉を借りれば「不治で末期に至った患者」の自殺が「尊厳死」と呼ばれるということです。
うつ病の場合で考えてみるとどうでしょうか。
うつ病は症状を抑えたり、コントロールできるようになっても、治る病とは私は思っていません。
私自身、うつ病を患いましたが、一生付き合っていくものだと考えています。
(これは私、一個人の考えなので、医療的根拠はなく、すべての人に当てはまるものではありません)
ということであれば「うつ病=不治」と言えます。
更に、
「精神的に追い詰められ、将来のことも考えられない絶望に追い込まれた状態=うつ病の末期に至った患者」ととらえるのであれば、うつ病による自殺は尊厳死と言えるのかもしれません。
まぁでも定義からすれば、うつ病状態は「本人意思が健全なもの」とは言えないので、尊厳死じゃないんでしょうね。
ウィルは不治であっても末期患者ではなかった
ウィルは交通事故による脊椎損傷の全身不随ではありますが、延命は可能でした。
ウィルは健康体であった時と、全身不随の自分を重ね合わせ、そのギャップによる絶望から、6か月後に自ら命を絶つことを決め、実行しました。
これは「尊厳死」でしょうか。
それとも「自殺」なのでしょうか。
本人の意思が尊重される死と呼べる行為なのでしょうか。
もはや言葉の定義の話ではなく、この映画は「人は、自分の命に対する責任と権利を持っている」と言うことに対する問いかけのように思えてきました。
自らが持つ命の権利
「自分の命をどうしようと、自分の命は自分のものなんだから、どーしたっていいだろ。」
こういうこと、小さいときに怒って言ったことがあるように思います。
自らの命の責任と権利は自分が持っている。
たぶんこれって考えることはなくても、みんな知っていることだと思います。
でも、責任と権利があろうとも、自殺であろうが尊厳死であろうが、私は肯定する立場はとりません。
命は与えられたもの
命は自らが責任と権利を持っていたとしても、それは親から与えられたものです。また、命を与えたものには、その命に対する責任と権利があります。
結局、前回の記事と同じ結論に至ってしまうのですが、
「生きる」ことを教え、生きさせるのは親の責任です。
そして「生きる」ことを続けるのは本人の権利であり、責任です。
どんな理由があっても、与えられた命を自ら絶つという行為は、肯定しないというのが私の意見です。
そのためウィルの決断に私は賛成できないのでありました。
しかし、主人公ルーはウィルの死を理解し前向きに生きていこうとします。
胸が苦しくなるわけです。
(かといって、これでウィルが尊厳死を選ばなかったら、ありきたりなストーリ-の映画になっちゃうんですけどね)
「世界一キライなあなたに」是非見てみてください。
是非、この「世界一キライなあなたに」見てみてください。
あんまり深く考えずに見れば、とても素敵なラブロマンス映画です。
そしてイギリスの風景が凄く美しく描かれています。
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