選択を縛られる若者の格差を無くす。有志団体ゆでたまご代表の阿部華奈絵さんの行動に胸を打たれた
こんにちは、たけのこです。
虐待などの理由に親元で暮らすことができない子供を受け入れる児童養護施設。
そこで暮らす子供たちは原則として18歳で施設を退所し自立して暮らしていかなければいけません。
自分が18歳だったころを思い出すと、とても幼く考えも浅はかな時期だったと思います。そんな世代の児童達がいきなり、ひとり社会に放り出されるのは酷です。
今回は18歳で自立を迫られる児童に、退所後に役立つガイドブックを作成している有志団体ゆでたまごを紹介します。
情報格差を無くし、児童の自立を支援する
有志団体ゆでたまごの代表を務めるのは、まだ20歳の阿部華奈絵さん。
彼女は幼いころに継父に暴力を受け、児童養護施設に保護されました。しかし、児童養護施設は高校を卒業する18歳までしか滞在できず、その後は自立して生きていかなければなりません。
阿部さんはハローワークを通じて就職先を紹介されますが、自身のやりたいことが見つからず、一方で刻々と迫ってくる退所日に追い詰められ、最終的に映像制作会社に就職を決めました。
しかし、その職場の労働環境があまりにも厳しく、ある日には、人手不足という理由で丸2日間48時間休みなく働かされてしまっていたそうです。
肉体的にも精神的にも追い詰められた阿部さんはあるとき、社会企業大学に参加し、自分が置かれている立場を理解して、仕事をやめる決断をしました。
それから彼女は、貯めていたお金で生活をしながら、様々な勉強会に参加し、有志団体ゆでたまごを立ち上げました。
現在、有志団体ゆでたまごでは、養護施設を退所した後、若者が孤立してしまうことが無いよう、自立を支援するガイドブックの作成を行っています。
選択を縛られる若者の情報格差を無くすこと。
児童養護施設は職員が持っている情報に差が大きくあり、それによって児童の選択肢が限られてしまっている実態があるようです。
高校卒業後、進学を希望しても児童養護施設の職員からは、金銭的な理由をもとに止められ夢を諦めてしまう子もいるとのこと。
やりたいことがあっても、どうしたらいいかわからない子、やりたいことすらわからない子が、急に支援がなくなり1人で自立を求められるんです。
厳しいこと言えば18歳なら考えて生きていけるだろって思う人もいると思います。
ただ、私自身、18歳の時にどうやって生きていくかなんて考えられていませんでした。
阿部さんの目標は、そんな児童達が持つ情報格差をなくし、児童たちの生きる選択肢を増やすことです。
有志団体ゆでたまごのプロジェクトには20代~60代、大学教授やIT企業の役員など様々な人材が集まっており、阿部さんはそのチームを束ねる代表をつとめているのです。
その行動力と想いに感銘をうける
私はこれまで、何不自由なく自分の思うがままに多くの選択と機会を手に入れてきました。その一方で、社会には自分の思うようにいかない子供たちが多くいます。
私はあらゆるものに恵まれながら、誰かのために何かしてきただろうか。何か社会に貢献することをしてきただろうか。
考えてみたら、サラリーマンしながら、金儲けしかしてないんじゃないかって。
一方で阿部さんは、自分が経験したつらい体験から、自分のような想いをする人を少しでも減らしたい。
施設を退所した若者の選択肢を多くしたいと願い、そして行動しています。
想うだけ、願うだけでは社会は何一つ変えられない。
どんなことでも、「行動」無くしては意味をなさないことを改めて、ずっと年下の彼女から感じさせられました。
有志団体ゆでたまごの詳細
阿部さんについてや、有志団体ゆでたまごについては以下のHPからご覧になれます。
https://mainichi.jp/articles/20170514/ddm/016/100/006000c
ご興味のある方は是非ご覧になってください。
あなたにも自立を迫られる若者の為に、何かできる支援があるはずです。