国語、算数もいいけど義務教育に日本食文化の専門科目を取り入れてみない?!
歴史と文化が日本の食を作り上げた
週末ときどき農家のたけのこです。
私はブログの中で、日本人の身近にある食材の紹介いくつか書いてきました。
夏に向けて梅ジュース作るよ!梅パワーで夏バテ知らずの身体を作ろう!
味噌手作りしたよ!年々消費が減る味噌もスーパーフードなんです
私は、なんてことはない、日本人は昔からどの家庭でも作っていたようなものを紹介しています。でも、たぶん今の日本では、こういった食は作るものから、買って食べるものになっています。
むしろ食べない人も増えているくらいですね。
今回はこの記事を書いていて、思ったことを綴ってみようと思います。
私たちは気づかないうちに価値観を失っている
日本人は日本食を大切にしていない ?!
日本は戦後の食糧難から高度経済成長を通して、経済大国になり、今や様々な食文化が日本に定着しつつあります。
洋食、中華、イタリアン、フレンチ、インド、アジア系、ファーストフードなど外食のお店を選ぶのも、まずジャンルを選ぶのが大変。
また、こういった食は外食だけでなく、家庭の中にも入り込んでいます。
そのため、あなたのキッチンにはおそらく、中華なら豆板醤とかオイスターソース、イタリアンならオリーブオイルにパスタとか、様々な調味料や食材が並んでいることとと思います。
さまざまな食文化が家庭に取り込まれることに、否定的な姿勢をとるつもりはありませんが、一方で日本食と言うものがどういったものか、わからなくなってないかなって思うんです。
外国の方々が持つ日本食のイメージって寿司、天ぷら、すき焼き、うどん、そば、ラーメンと言ったとこでしょうか。
でもそれって日本人がイメージする日本食、いわゆる和食とは少し違いますよね。
あなたは外国の方に私たちの食文化である和食が何か説明できますでしょうか。
たぶんすごく難しいと思います。
あなたならどのように説明しますか、それは本当に和食の姿でしょうか。
和食の定義はなんだって話にもなりますが、私が言いたいのは、自分たちの食文化が何者なのか、みんな実は忘れかけているんじゃないかなって感じるんです。
本物の調味料を選んでいますか
スーパーの調味料売り場に行くと驚きます。
いわゆる調味料の「さしすせそ」(砂糖、塩、お酢、醤油、味噌)の塩、砂糖を除いた3種類だけ見ても物凄い品数が置いてありますが、半数以上は本来の作り方ではないものが多いです。
言ってしまえば醤油風調味料とか、味噌風調味料などそれっぽいものが、本物と同じようにならんで売られています。
それっぽい調味料、この際、はっきり偽物といいますが、日本の場合、どんなに添加物を加えられて作られた偽物でも醤油や味噌と名乗ることができちゃうんですよね。
しかも、本物に比べ物凄い安価です。
ついつい、安いものを手に取ってしまうのが日本人です。
それが偽物であっても。
本物の醤油、味噌、お酢の味がわからない。
そもそもそれが、どうやって作られているかわからない。
そうやって本当の味が忘れ去られていくと思うと、さみしく思います。
私たちは文化よりも利便性を優先している
スーパーで売っている加工食品は、調味料も含め、材料があればたいてい家庭で作ることができます。先ほど紹介した醤油、味噌、お酢だけでなく、ベーコンやハムだって作れます。
多くの人はそれをやりません。
仕事で忙しく時間がないうえに、食にかけられる時間がないんですよね。
そして便利で安いものが売れていく、これが資本主義経済なのでしょう。
この流れを止めることは難しいことですし、求めている人も多くないと思います。
家で料理するよりも、既に調理されたものを温めて食べるほうが楽ですからね。
自分たちの文化に誇りを持てるように
海外旅行にいくと現地の人たちは、自国の文化に誇りを持っている人が多いように感じます。
確かに各国それぞれ、すばらしい文化をもっている。
でも、日本のポテンシャルも負けてないんですよ。
私が紹介した甘酒、梅ジュース、味噌だけとっても、その栄養はバランスも量も大変優れており、栄養だけでなく、高い健康効果を持っています。
今まで気づかれていなかっただけで、日本食には非常に優れた能力があるんです。
でも、それらの消費が減っているという事は、そのものの価値が理解されてないからではないでしょうか。
形だけじゃない食育を
姉が小学校教師なので、食育の現状をうかがうと、
野菜の種を植えて、収穫して食べる。以上
みたいなことしかやっていないようです。
私も学生の時に受けた食育は、古代米を育ててみるとか、サツマイモを育てるとか、栄養バランスについて学んだりなど、その程度でした。
確かに野菜がどのようにして育つか知ることは大切ですが、
食育は農家を育てるものではないです。
食育だからって野菜を育てる必要はないのに、それを生徒にさせて満足している人がいます。その一方で、食肉加工場のようなところに連れていく学校は稀でしょう。
私は、食こそ、その国の文化・歴史を物語るものであり、和食がどのような食材、調味料で、どのように作られているか、そういったものを食育として教えるべきと考えています。
大人の消費行動はなかなか変えられませんから、義務教育のなかで子供たちに教えていくことが大切なんです。
食事を子供が作れるようにする
先日、子供の食事情を特集するTVで、現代の夫婦共働きによる弊害で、子供の食事の時間が深夜であったり、親が料理の時間を取れず、また料理に対する苦手意識によって、栄養バランスも何も考えられていない食が子供に提供されている現実をみました。
その中で、子供が野菜を食べてくれないから焼きそばばかり作って、しかも夜10時ころに晩御飯を食べる親子を見ていて、その親の言い訳が「時間がない、料理が苦手、子供が野菜キライ」
とても悲しい現実です。
もうこの際、親に頼らず子供が料理をできるようにすればいいんですよ。
料理の授業が専門科目になってもいいと思います。
今ある家庭科の授業では不十分です。
小学校の低学年に包丁を持たせるのが怖いのであれば、野菜のカットなどは親が済ませとけばいい話で、炒め物や煮物など実際の味付けや調理だけ子供にさせる。
(私は小学生くらいなら包丁だって使わせていいと思いますが)
料理は非常に頭を使いますし、メリットも多くあります。
以前紹介した家事男子の記事を引用すると
家事ができると仕事にも好影響があります。
料理一つとっても、
〇誰に何を作るか(企画力)
〇食材は何を使うか(予算・品質管理力)
〇どのような手順で作るか(段取り力)
〇どのような味付けにするか(相手の好みを想像する能力)
〇複数の料理を同時に調理(マルチタスクを行う能力)
〇作った料理を食べながら会話(相手のニーズを引き出す営業力)
〇味の感想を受けて反省すること(自分自身を改善する反省力)
これら全体を想像する力を養うことでマネジメント力も身に付きます。
また家事はPDCAサイクルが短いので、どんどん上達します!
それが自信となり、あなたを成長させてくれるでしょう。
教育材料にうってつけじゃないですか。
料理をする経験は、絶対に無駄にはなりません。
人は食べないで生きてはいけないのです。
生々しい話で言えば、2020年に大学入試が変わる話が出ていますが、その根底に「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するという考えがあるようです。
何か特別なことをやるよりも、料理をするだけで、その3つの能力は鍛えられるんです。別に親が料理を作らなくても、自分で作れるように育ててあげればいいんじゃないでしょうか。
今の社会では、親は教えられません。忙しすぎます。
そこで義務教育の出番です。
食こそ文化
和食という日本文化が食の多様化や、化学調味料によって失われることに危機感を覚えます。
ITや家電などは日進月歩で変化していきますが、食文化は数百年、数千年という歴史のなかで培われた英知です。家電やサービスは5年も経てば、大きくその技術は飛躍し過去を置き去りにしますが、食文化はそうではありません。
長い時間をかけて築かれた食文化を絶やすことないようにするには、どうすればよいでしょうか。
私は教育にその力があると思っています。
自分が食べるものを自分で考えて作る力は、きっと生きる力を育ててくれるでしょう。
昔は家庭で養われてきた知識ですが、これからの時代は、そういったことを誰かが教えていかないといけないと思うのです。