ストレス・うつ・適応障害に悩むあなたに。農作業で心と身体のメンテナンスをしてみませんか
どうしたらいいか悩んでいるあなたに。
「朝起きることができず、食事も喉を通らない。何もやる気がでない。」
睡眠障害や、憂うつ感、不安・焦燥感、全身の倦怠感といった症状が続く精神疾患の「うつ病・適応障害」。
今や日本では13人に1人が発症するとも言われています。
私も職場の長時間労働とプレッシャーによって、うつを発症しました。
常に不安な気持ちで胸が苦しくなり、急にイライラしたり、涙が止まらなくなったり、将来のことも考えられなくなる。
また、それが家族に心配も与えてしまい、より悩みこんでしまうということもありました。
そんな私が救われたものがあります。
今回は、うつ病への対処法として、一つの選択肢をアドバイスできたらと思います。
うつ病は家族にも伝染する。
うつ病・適応障害の治療は、十分な休養を取ることで疲れ切った心と体を回復させる方法や、薬による治療方法があります。
私の場合はどちらの方法も試してみました。
特に何もせず、ただただ休んでみることや、実際に抗うつ薬を飲んでみました。
薬は凄く効きます。
ただ、薬を飲んでいると私はどこか心が縛られているような感覚があり、不安の症状を取り除いてくれるものではありませんでした。
そして私は、できないことが多くなり、自分の口からでる言葉もネガティブなものばかりになっていきました。
妻の言葉一つ一つに過敏に反応してしまい、喧嘩したくないのに、気持ちを抑えきれず怒鳴ってしまったり、過度に落ち込んで妻を悩ませてしまうこともありました。
そんな時に妻が
「私もうつ病だ!!うつ病なんだーー!!!!」
といって突然、私の薬を奪って飲み始めました。
私には、この一件がとてもショックでした。
悩んでいたのは私だけでなく、周りの家族にも伝わっていて、家族にもうつは伝染してしまうんだと。
薬に頼って休むだけじゃだめだ。
私が元気になる前に家族が弱ってしまう。
そう思い私は、自分のできることをできる範囲でやってみよう。
と身の回りの家事からやれることを始めてみました。
ストレスから遠く離れてみる
もちろんいきなりできることは、限られています。
できないことの方が多いです。
そんな時、私を家の中から連れ出してくれるイベントがありました。
「田植え」です。
私と妻の実家は農家でちょうど田植えの時期が来ていました。
田植え一つとっても、私の実家と妻の実家では大違い。
私の実家の場合は機械で植えていく田植え、苗も家のビニールハウスで育てます。
(若い苗は実際に見てるとかわいいんですよ。)
こんな感じで田植えをしています。
一方、妻の実家はと言うと
いわゆる、棚田と呼ばれるものです。
機械で植えられる範囲は限られており、田んぼの中に入って苗を植えてあげなければいけません。
この田んぼは泥の層が深く、身長178㎝の私が入ってもひざ下まで足が埋まってしまうほどでした。
足が抜けなくなって動けなくなったり、バランスを崩して泥だらけになるなど、田んぼの中を歩くのに精一杯でした。
作業中はとにかく無我夢中
どちらの田植えも「美味しい米を収穫するために、どうすればいいか」と考えながらやってみるんですが、たいてい思い通りになりません。
機械の田植えにしても、手で植える田植えにしても
田んぼの形も、泥の深さも場所によって違うので、同じ作業の繰り返しなのに、同じことを繰り返しては決してうまくいかないんです。
しかし、田植えは反復作業ですから、徐々に容量をつかんでいくことができます。
作業が終わったとき、うつ病がいなくなっていた。
田んぼが一枚づつ田植えが終わるごとに、田植えがうまくなっていき、終わったときには大きな達成感がありました。
驚いたのは、田植え作業が終わったとき、
私の心の中にあった不安やイライラ、悲しみといった感情がなく、胸の中にあったモヤモヤがどこにもありませんでした。
うつ病がどっか行っちゃったって感じです。
とても清々しい気持ちになっている私がいました。
モチベーションをあげる効果が農作業にはある
農作業は心を癒す力があるのかもしれない。
私なりに考察をしてみたときに、マズローの欲求5段階説を思い出しました。
マズローの欲求5段階説
アメリカの心理学者アブハム・マズローが提唱した「欲求の5段階説」をわかりやすく解説したのが、次の図です。
第一階層「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。
第二階層「安全欲求」は、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたいという欲求が含まれます。
第三階層「社会的欲求(帰属欲求)」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めるようにます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなると言われます。
第四階層「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)です。
第五階層「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれます。
更にマズローは第五階層の上に「自己超越」という見返りも求めず、自我を忘れてただ目的のみに没頭し、何かの課題や使命、大切な仕事に貢献している段階があると言っています。
振り返ってみれば農作業は、
・自然に囲まれた空間(ストレスからの解放)
・複数人で同じ作業する(社会的欲求)
・単純作業だけど、やること考えることは多彩(自己実現欲求)
・作業が終わったときの達成感(自己超越)
・農家(私の場合は家族)に感謝される(尊厳欲求)
第三階層から第五階層、そして自己超越と呼ばれる欲求まで満たしてくれる、そんな環境に身を置くことができるんです。
農作業は人の心を癒すだけではなく、人それぞれが持っている欲求を満たしてくれることで、モチベーションや自信を取り戻す効果があるのです。
実際に農業の現場でも取り組みが行われている
先日の新聞にこんな記事がありました。
この取り組みによって、約7割の人がうつ病や引きこもりを克服し、自立できているそうです。
農作業が持っている力が実証されているんですね。
うつ病だけでなく、仕事で悩んでいる人、学校や職場でいじめなどに悩んでいる人にも、農作業は心を癒し、自信を取り戻すきっかけを与えてくれると思います。
全国には困っている農家さんがたくさんいる。
直近の農水省の統計だと全国の農家の平均年齢は66.8才と言われています。
そのため、種まきや収穫など、農作業のイベントの時だけでも手伝ってほしいという農家さんはたくさんいらっしゃいます。
でも、農作業をしようとしても、親族や知り合いに農家がいない。
そういう方は是非「WWOOF(ウーフ)」に登録してみてください。
WWOOFはオーガニック農家が登録している団体で、食事と宿泊場所を無償提供する代わりに、農作業を手伝うといった農家と一般の方を繋ぐ取り組みをしています。
農家と一般の方にお金のやり取りは発生しませんので、ボランティアに近いかもしれません。その代わりに、食事と宿泊場所が提供されるので、余計なお金を使う必要はありません。
登録農家は全国に400か所あると言われていますので、場所で選ぶことも、作物で選ぶこともできます。
もし、興味を持っていただけたらHPだけでも見てみてください。
自分の心を癒しながら、人の力になれるって、とてもwin-winな関係だと思いますよ。
まとめ!!
農作業はうつ病の治療と言うほどのものではないと思います。
ただ、農作業はあなた自身のストレスを解消し、モチベーションを上げてくれる効果が期待できるものであり、自信を少しづつでも取り戻し、社会復帰するための一歩につながるものと信じています。
農作業と言うときついイメージもあるかもしれませんが、農家の平均年齢は66歳以上ですよ。
皆さん無理なく作業している人が多いと思います。
我が家の農作業も疲れが出ないように休み休み作業していますから、あまり心配することありません。
あまり深く考えず、こういう選択肢もありますよという紹介でした。
では!!