若者の自殺が止まらない日本。「生きる」を教えるのは家庭それとも学校?
若者の自殺のニュースを見るたびに悲しくなります。
自殺という選択肢を取らざるを得ない本人の心境を思えば思うほど悲しい。
先日、厚生省が発表した「2017年 自殺対策白書」では、若者の自殺率が先進国と比べても多いことが記載されていました。
10万人当たり17.8人。
数字で言えばそうなんだろうけど。
その一人ひとりには家族がいて、友達がいて。
追い詰められた若者が自殺を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。
一人の若者が自殺を選択しているということの重大性
直近のニュースでは茨城県取手市の女子中学生が自殺したニュースが、非常にショックでした。
取手市の教育委員会が「いじめ重大事態」に該当しないと判断し、抗議を受けそれを撤回した事件です。
自分たちの保身しか考えていない、非常に情けない話です。
自分たちで決定した判断を、外部からの指摘で仕方なしに判断を変えるわけですから。
いじめがあるなしに関わらず、1人の学生が自殺しているということに対して、なぜ大人は重大事態と考えないのか。
こういったニュースが後を絶たないことも非常に悲しいことです。
どうすれば若者の命を守れるか
若者と言っても自殺の原因は様々です。
いじめ、ストレス、受験・就活の失敗、労働環境、男女問題など。
また、自殺が絶えないのは、その前兆を周りが気づくことが困難な場合が多いことも理由の一つと言えるでしょう。
いじめもそう。
学校教師が生徒たちの人間関係を全て把握することは不可能です。
先生がいる前で、いじめをする生徒なんかいませんから。
いじめは親でさえ気づくことが難しいことです。
それは原発いじめの事件だけ見てもわかります。
自殺という選択をしているのは本人だけれども
人は生まれながらにして、危機に瀕したとき死を選択する本能を持った生き物なのか。
私はそうではなく、社会環境や生活環境(TVやインターネット、教育ほか)の中で、人は自殺という選択肢を持つようになっていくと考えています。
普通に生活するなかで、追い詰められたとき「死んでしまえば楽になる」と、そういう選択肢が無意識のうちに、人の心の中にできてしまう。
現代はそういう社会なんじゃないかな。
だから、親にも、教師にも、他の誰にも頼れない孤立してしまった若者の自殺を止めるには、本人の「生きる」ことに対する考え方を変えるしかないと思います。
自殺してしまえば楽になると思ったこともあった
私自身、ストレスに追い詰められ、このまま駅のホームに飛び降りれば、楽になるのかなとか思ったことがあります。
そんなときに必ず親に言われていた言葉が頭を過ります。
「死ぬ順番を間違えてはいけない」
つまり、人は親から順番に死んでいくことが、幸せと言うこと。
親より早く死ぬなってことです。
幼いころからさんざん言われてきました。
聞かされているうちに、私は親より長生きするためには、自分の身は自分で守らないといけないという意識を持つようになりました。
だから、うつ病でも働き続けることはできましたが、会社を休む選択がとれたんだと思います。
やりたいことをやれ
これも親に言われ続けた言葉です。
というか、自分がやりたいということに、Noと言われたことがないんですよね。
「やりたいことをやれ」
そういわれると、どうしようか悩んでしまうところですが、今になって思えば「自分の人生は自分で切り開け」という意味と勝手に解釈しています。
いい大学出て、いい会社に就職して、たくさん稼ぐ。っていう人生の勝ち組レールっていうんですかね。
そんなレールに乗んなくてもいいって、多様な価値観があっていいという、考え方を植え付けられたんだと思います。
私が自殺しないで生きてこれたのは
「自分の身を自分で守る」
「無限にある選択肢の中から、自分の人生を切り開いていく」
この二つの価値観が「生きる」軸になっていたからでしょうね。もちろん家族の支えもありますけどね。
「生きる」を教えるのは家庭か、学校か
家庭と学校と社会が一致団結して、若者の自殺を防ごう!!
ってなればいいんですけど。
でも今の社会、「生きる」ことを教えられる人って少なくなっているんじゃないかなって思います。
始めに紹介した「自殺対策白書」に年齢別の自殺者数のグラフがありました。
これをみると人数で言えば10代、20代の若者よりも、それ以上の大人の方が圧倒的に自殺者が多いんですよね。
若者よりも大人の自殺の方が深刻にも思えます。
社会の大人も、学校の先生も頼りにならない。
こうなってくると、「親の背をみて子は育つ」っていうとおり、若者を守るために「生きる」ことを教えられるのは親、家族にしかできないですよ。
わが子を失ってしまった方に言える言葉では、無いんでしょうけれども。親が「生きる」ことを教えなければ、若者の自殺は止められません。
だからお父さん、お母さん頑張って!!!
と思うこの頃でした。