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LNG発電を輸出する日本の政策は、地球環境ではなく日系企業の利益を優先している

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こんにちは、たけのこです。

 

先日の記事で、現在日本国内で数多くの火力発電所建設プロジェクトが動いていることを紹介しました。

アメリカがパリ協定離脱!?そんな中、日本は火力発電の建設ラッシュ - たけのこlabo.

 政府は、福島原発事故により原発の信頼の低下から、電力の安定供給のため火力発電の建設を進めているのです。

 

しかも、ここに使われているのは、再生可能エネ ルギーの普及拡大のために導入された政府の補助金です。

 

そして政府は今度、火力発電所を海外に輸出しようとしていることがわかりました。

 

 日本のガス会社大手や商社が政府と手を組み、液化天然ガス(LNG)の調達システムから発電所建設まで包括的に輸出する計画が動き出す。まずフィリピンでの受注をめざす。原発の国際的な事業環境が厳しい中、火力では環境負荷の比較的小さいLNGがインフラ輸出で有望な分野だと判断。成長するアジアでの需要拡大をにらみ、先進的な技術を生かして官民一体で売り込む。

 

地球温暖化に伴う気候変動が問題視されている中で、技術先進国である日本がなぜ、火力発電所の輸出をするのか。

 

今回はこのことについて書きたいと思います。

 

国内企業の利益か、地球環境か

2015年に採択された気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定、いわゆるパリ協定。

 

そのパリ協定のなかでは、産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑えること。

そして今世紀後半には、人為起源の温室効果ガスの排出をゼロにすることが目標として掲げられました。

 

そんな中で、福島原発の件もあり、原子力発電所の輸出が難しいと判断した日本政府は、石炭火力に比べCO2排出量が少ないLNG発電所を、環境負荷が少ない発電所として、東南アジアに輸出をしようとしています。

 

LNG発電所を営業するにあたり、政府は民間企業(商社、大手ガス会社など)と手を組み、LNGの供給、LNG基地・発電所の建設、運営全体までパッケージとして売り込もうとしているようなのです。

 

なぜLNG発電所なのか

LNGによる火力発電は、石炭に比べ原料コストが高い反面、CO2排出量を石炭火力の1/2程度に抑えられると言われています。

そのため、火力発電所としては環境に対する負荷が少ないとされ、LNG発電が注目されているのです。

 

JOGMEC(石油天然ガス金属鉱物資源機構)によると東南アジアでは、経済発展が進み安定したエネルギー供給に対する需要が増える中でLNGが選択され、現在、10以上のLNG基地の建設計画が進んでいるとのことです。

 

環境を顧みない国内企業を向いた政策

こうした包括的なLNGインフラの輸出が成功すれば、実は国内産業には大きなメリットがあります。

 

商社は継続的にLNG資源の調達で、ガス会社は運用面でのサポート、プラント会社やゼネコンはインフラ建設・メンテナンスで利益を上げられるのです。

 

まず、フィリピンへの売り込みが成功すれば、LNG需要のある東南アジアへさらなる進出を図ることでしょう。

 

しかし、こうした流れは温室効果ガスを実質0にしようとしている世界の流れに逆行するものではないでしょうか。

 

火力発電所が稼働すれば継続的に大量の温室効果ガスが排出されることとなります。

石炭に比べればLNGは環境負荷が低いのかもしれませんが、火力発電所が稼働する以上CO2の排出は止まりません。

 

排出されたCO2に対する責任は、排出国に課せられます。

日本は東南アジア諸国の温室効果ガスの排出に加担する一方で、技術支援によって削減できたCO2は買い取ろうとしているんです。

 

これは持続可能な開発目標(SDGs)に反するものではないでしょうか。

 

技術を売りにしながら環境配慮後進国に向かっている

もう数十年に渡って、化石燃料は将来枯渇し、地球温暖化は気候変動を引き起こすと言われ続けています。

 

それは学校教育の場でも題材として扱われ、私も小学校で環境問題に対して勉強させられたことを覚えています。

 

しかしながら日本は、経済の発展が優先され、環境対策を後回しにした政策が取られてきました。

 

子供には環境の大切さ、現状の深刻さを説きつつ、政府・企業は何をしているのでしょうか。

環境に配慮した国に向かっているとは、決して思えません。

 

2011年に福島原発事故が発生した際、日本は再生可能エネルギーの開発を進める政策に舵をきるものと思っていました。

それが変革を起こすチャンスだったと思います。

 

しかし、実態は火力発電を中心としたエネルギーミックスに切り替え、再生可能エネルギーは2030年の目標で全体の24%程度です。

 

このままでは、世界はパリ協定で合意した「今世紀後半の温室効果ガスの排出をゼロにする」ことは、達成することはできないでしょう。

 

そもそも、日本は2国間クレジット制度を使い、協定を結んだインドネシアやベトナムなど16か国から、技術支援によって削減されたCO2を買い取って自国だけ目標達成するつもりなんですから、CO2の排出を0にする気なんてありません。

 

こんな政策なのに、パリ協定を離脱したアメリカを非難する権利なんてないんじゃないでしょうか。

 

自国の経済を優先するあまりに、日本は環境配慮後進国への道を進んでいるようにしか思えないのです。

 

再生可能エネルギーへの転換を進めるべき

日本の国土は平野が少なく、山間地が多くを占めます。

そのため、太陽光発電、メガソーラーの建設が各地で行われていますが、農地や山地を侵食し景観を破壊する、国土の無駄遣いだと私は思っています。

 

日本は火山の国であり、島国というメリットがあります。

活火山は全国で108山あり、世界の火山の7%を占めると言われ、排他的経済水域の広さは世界6位の面積をほこっているのです。

 

一方、国土は世界の0.25%しか持っていないのに、太陽光で土地の無駄遣いをしている場合ではありません。

 

だからこそ、日本はメリットを生かした地熱発電や、洋上風力発電、潮力発電の技術開発、法整備を進める必要があるのです。

 

また、地球は海で7割の面積を占めています。

洋上風力や潮力発電の技術開発を進めることは、温室効果ガスを発生させない発電方法であり、世界に売り込める営業資源になりえるのです。

 

日本の政策は、地球環境ではなく日系企業の利益を優先している。

再生可能エネルギーの流れを進めることは、国内経済にダメージを与えるものになるかもしれません。

 

しかし、自国の目先の利益を追求し、環境政策を後回しにすることは、先進国とされる日本としてあるべき姿なのか甚だ疑問に思います。

 

 気候変動から人類を救えるかどうかは次の3年が勝負だとと言う研究結果も発表されています。

気候変動から人類を救えるかどうかは次の3年が勝負だと専門家らが警告

 

また最近では南極で大規模な氷山が大陸から分離したと報じられました。

www.bbc.com

その大きさは三重県の面積と同じだと言われています。

 

地球温暖化はもう数十年前から問題視されてきましたが、実感はなくても取り返しのつかないところまで問題は迫ってきています。

最近の異常気象、豪雨災害も少なからず地球温暖化の影響を受けたものであるはずです。

 

だから私は、再生可能エネ ルギーの普及拡大のための補助金を使い、国内の火力発電を建設することにも反対ですし、LNG発電所の輸出にも反対なのです。

 

再生可能エネルギー技術の発展を願います。