失敗やつらい経験があるからこそ、人を思いやることができる
人の痛みがわかるために
たけのこです。
人の気持ちを知ることは難しいです。
相手が何を考えているか想像することは、答えのない問題を考えるようなものだと思います。
でも、自分が経験したことと同じ状況に置かれている人が目の前にいる場合、相手がどのような気持ちか察することができます。
完全にその人の気持ちを理解できるわけではありませんが、全く分からないのとは大きな差です。
今回は会社を休職したことでわかった、人の痛みを知ることの話です。
痛みがわかるからこそ思えることがある
私は、自分がまさかうつ病になるなんて思ってもいませんでした。
それは体育会系運動部で心身共に鍛え上げられてきたし、休日だって旅行や趣味に時間を使い、ワークライフバランスの取れた生活を送っていたからです。
そんな私に突然訪れた情緒不安定な日々。
初めは、ばりばり働いて稼いでやるって頑張っていた自分が急に変わってしまい、とても情けなく、悔しい想いがありました。
恥ずかしいという思いもあってか、友人にも連絡を取れず、届く電話やメールはほとんど相手にしませんでした。
というか、できなかったんですよね。
それも時が経つにつれ、薬の助けもあってか、少し冷静に自分と見つめあえるようになってきました。
自己犠牲を美と思っていた私は、何よりも人のため、仲間のためを思いながら、自分のことをタフな人間と勘違いして頑張りすぎてしまったのでしょう。
恩師からのメッセージ
そんなときに、入社時に1年間私を指導してくれた、恩師ともいえる先輩から突然連絡がきました。
その先輩は別の支店に在籍していながら、どこからか情報を聞きつけ、直ぐに電話をかけてきました。
しかし例の通り、私は電話にでれず。
一番、知ってほしくなかった人に自分のことが伝わり、なんて言葉にしたらいいかわからなくて、ただ無視してしまいました。
それはそれで自分を責めてしまうのですが、これが今の自分の現状なのでしょう。
そんな私の心境を察してか、先輩からメッセージが届きました。
「会社だけが人生じゃないし気にすんな。お前はどこにいても俺の後輩だからな」
「今の辛さ、苦しさ、いろんな感情を大事にしろよ。それはお前を成長させるタネだし、人の痛みがわかる人間になるためのタネだからな」
ただただ、その言葉に救われました。
痛みを知るから思いやりを持てる
私はうつ病を患ったことで、同じような心の傷を負った人のことを思えるようになりました。
それだけじゃなく、私と同じような人を出さないための行動を取れる人間にならないといけないように思えるようになったのです。
目には目を歯には歯をと、やられたからやり返すみたいな、自分がした苦労をそのまま経験させる、そういう考え方の人が私の周りには多くいました。
それ自体を否定するわけではありません。
経験をしなければ、わからないことが多くあるからです。
しかし、指導者や管理者は自分が苦労した時の心境を理解していなければ、時に部下や生徒を指導する際に追い詰めてしまうことがあるということです。
これも今回の経験から得られたものでしょう。
人の痛みを知ることで気づけたもの
ビジネスでは時にズルさや、相手を出し抜くことが必要なのかもしれません。
それゆえに、思いやりが失われることがあるのでしょう。
そういった人を変えることは難しいです。
でも自分は変わることができるし、自分に関わる人を救うことができる。
あなたが今、つらくしんどい思いをしているならば、今感じている思いや考えが、人のために役立つものとなる時がきっと訪れます。
自分の生活にも、なかなか余裕がない今の社会だからこそ、他人を思いやる心を持ち、支え合うことが必要なのだと思うのです。