箱根は何しに行くところ⁈人気観光スポットだけど正直つまらない?
10年ぶりくらいの箱根は、ちょっと残念。
小学校の卒業旅行ぶりに、箱根を1泊2日で観光してきました!
箱根と言えば、箱根登山鉄道にのって大涌谷で黒たまご食べて、芦ノ湖で遊覧船にのり、関所を見るのが定番ですよね。
でも、久しぶりに行ってみて、ちょっと残念でした。
Yahoo知恵袋にも同意見の人がいました。
思ったけど箱根ってたいした観光地じゃなくね❓この前箱根に行ったのですが、特に何もなく行くところに困ってしまいました。はっきり言って箱根なんてクソつまらないですよ。なんでこんな有名に
なったのか理解できません。長野県のように雄大な自然も全くなく、東京のように色々な店があるわけでもない。なんか中途半端です。そこで皆さんにお尋ねします。箱根に観光に行かれる方は箱根のどこに魅力を感じているのか教えてもらいたいです。僕は全く魅力を感じません。思ったけど箱根ってたいした観光地じゃなくね❓この前箱根に行っ... - Yahoo!知恵袋
というわけで、今回は箱根観光の残念なところを意見したいと思います。
箱根とは
箱根と言えば日本人であれば大体の人、行ったことない人も含め何となくイメージが付くと思います。正月は毎年さんざん駅伝やってますからね。
箱根(はこね、古くは「函根」とも)は、静岡県に近い神奈川県南西部の一角、箱根カルデラ近辺の一帯を指す地名。 地図の上では、行政区画としての箱根町におおむね重なる概念である。
古来東海道の要衝であり、「天下の険」と謳われた難所箱根峠のふもとには宿場や関所が置かれた。近代以降は保養地・観光地として発展。各所に湧く温泉や、芦ノ湖、大涌谷、仙石原などがとりわけ有名である。
ja.wikipedia.org
箱根のブランド力はすごい
箱根は年間2000万人が訪れる観光地です。
この数字はユニバーサルスタジオジャパンの年間来場者数1460万人を遥かに凌ぐ数字。
ちなみに東京スカイツリーは年間500万人程度の来場者数です。
これってすごくないですか?!
かつては東海道の要所として人の往来が多くあった地ですが、現代の箱根の集客力はどこにあるのでしょうか。
箱根ブランドについて考えてみる
さて、いったい何が2000万人もの人間を箱根に引き付けるのか考えてみました。
〇箱根駅伝で印象付けられているから行きたくなる
〇新宿から小田急線もあり、都心からのアクセスが良い
〇富士山を望む芦ノ湖の風景など景観が良い。
〇さまざまな温泉施設がある
〇美術館やユネッサンなど観光施設がまとまっている
〇黒たまご…
他にもかつての大企業の保養所やお金持ちの別荘などが点在しており、お金持ち向けの旅館もいくつもありますので、
大人の贅沢な観光スポットとしてイメージができあがっていて、それが人を引き付けているのでしょうか。
箱根でがっかりしたところ
さてここからは、実際に訪れてがっかりしたところを紹介していきます。
箱根町立郷土資料館
箱根町立郷土資料館をご存知でしょうか。
私も今回の旅行の相方に教えてもらうまで知りませんでした。
キャッチフレーズは「歴史を知ると箱根はもっとおもしろい」
(実際、箱根の歴史は面白いです)
こういった石畳の工夫など知ると、江戸時代の技術と知識に感銘を受けます。
雨水で石畳が崩れないよう排水の工夫がなされています。
昔の人の知恵・工夫は凄いと思わされます。
中の展示はいい資料がそろっていることから、ここを見てから箱根を回ったら面白いと思うんですが、この資料館の存在自体がほとんど知られていません。
道中案内板も何もありません。広告もなし。
そのため、来場者数は皆無です。
(ちなみに入場料150円)
せっかくの資料館も人が来なければ作っただけ税金の無駄と言ったものです。
箱根湯本は箱根の玄関口なんですから、もっとアピールしてもいいように思います。
ちなみにこれが箱根町役場
大地震でもあれば石垣が崩れそうな建物…ちょっと怖い。
箱根湯本駅前の商店街
箱根の玄関口として、まさに顔となるところですが、どこも似たようなものを販売するお土産屋さんばかり。
どの店に入っても、たいてい同じものが買えます。
でも、日本の観光地ってこういうのあるあるですよね。
せっかくなので箱根名物、寄木細工のひみつ箱を触ってみたいと思い、ある店に入ってみると
全て封がされていて、試しに触ってみたかったんですがだめでした。
外国人観光客はこれがなんだかわからないでしょうね。
ちなみにひみつ箱とは
箱根寄木細工の代表的作品である秘密箱(ひみつ箱)の創始は、江戸後期の1830年頃と伝えられております。
箱にほどこされている仕掛けを解除しないと箱が開かないようになっています。その仕掛けの数も4回、7回、10回、12回、と種類があります。当店には仕掛け数125回の秘密箱を展示保存してございます。
商店街の足元には箱根の名物、寄木細工をモチーフにしたタイルがしかれています。
今の時代、説明も何もなければ、誰も意識しないでしょうね。
外国人観光客が増えているにも関わらず、何の説明もありません。
ただあるだけで、もったいない。
箱根観光物産館
商店街を抜けた先に箱根観光物産館という建物があります。
一緒に行った相方から、ここで寄木細工の体験ができると聞いて訪れたものの、中に入るとそこは…
ただのパンフレット置き場…しかもすごい数…
なんだよこれ。
かつては寄木職人がいて、体験やひみつ箱など工芸品を触ることができたようです。
受付のおばちゃんにその話をすると
「今はそんな職人はいないんだよ!!!」と
とてもそっけない対応。
かなしい。
それよりも、こんなにパンフレットを置いて誰が取りに来るのでしょうか。
箱根登山鉄道
箱根登山鉄道は箱根湯本から強羅までを結ぶ鉄道です。
なんとスイスレ―ティッシュ鉄道と姉妹提携を結んでいるようです!
なんか期待させる表示です。
実際に乗ってみると電車の内装は意外にいい感じ。
鉄道の椅子の柄は伝統の寄木細工模様。
でも最新車両にはこの柄は採用されてないようです…
残念すぎる。
そんな箱根登山鉄道には面白い特徴があります。
〇日本で2番目に急な80バーミルの勾配(一位は静岡にある大井川鐡道井川線)
〇3回のスイッチバック(進行方向が変わるやつです)
〇歴史的価値ある出山鉄橋(第一次世界大戦中、資源のない中作られた鉄橋)
〇R30の曲線(急カーブで車両によるレールの摩耗を防ぐために、電車が水をまきながら曲がる)
これらに合わせて車内案内では、ところどころで風景の説明があり、電車ファンじゃなくても結構楽しめる鉄道です。
そんな箱根登山鉄道の残念なところは、社内アナウンスがすべて日本語なところです。
そのため外国人観光客の多くは寝ているか、暇そうにしていました。
スイスレ―ティッシュ鉄道と姉妹提携をアピールしておきながら、英語の車内放送や表示何一つありません。
私が外国人旅行者だったら絶対にシェアすることはしないでしょう。せっかくの箱根登山鉄道の価値が、旅行者に伝わっていないと思います。
ちなみに、私がスイスのユングフラウの登山鉄道に乗った時は複数の言語のアナウンスと、映像がありました。その中には日本語まで用意されていたので、箱根登山鉄道と大きな差を感じました。
そして終点の強羅に着くと、こんな壁紙が駅にありました。
サンモリッツ駅って書いてあります。
かなり大々的に姉妹提携アピールしていますね。
そしてその脇で草に埋もれたところに記念碑がありました。
これも日本語表記のみ。
しかも草だらけ。
さらにその脇にある花時計
枯れた花もそのままです。
電車を降りた観光客は誰一人、この時計を見ていませんでした。
(私くらいか。)
そして、駅の外に出てみるとこんな看板がありました。
サンモリッツと書いてありますが、その下には「寄贈 箱根登山鉄道株式会社」とあります。
??
スイスレ―ティッシュ鉄道から寄贈されたなら、なんかわかりますが、自分たちで作って取り付けたってこと?!
これはちょっと残念…
駅前もカラーコーンが並べられ、とても景観が残念です。
このような景観をもつスイスの鉄道と比べたら恥ずかしくなります。
結局スイスレ―ティッシュ鉄道と姉妹提携は日本人への宣伝としてしか、利用していないように思えてしまいます。
ちなみにスイスレ―ティッシュ鉄道の方ではこんな列車が走っているそうです。
なかなかインパクトありますね。
早雲山からロープウェーで大涌谷へ
さてロープウェーにのると、新緑の上をぬけて
大涌谷が見えてきます。
富士山もちょこっと見えます。
まあここは、こんなもんなんだと思います。
富士山の絶景を見るなら、御殿場からちょっと足伸ばして山梨行った方がいいですね。
やっぱりスケールが違います。
そして箱根の名所「大涌谷」
ロープウェーを下りればそこは火山活動が見れる大涌谷です。
私はこれまで大涌谷は火山活動をみて、黒たまごを食べるだけの場所だと思っていましたが、温泉を作っているんですね。
しかも、大涌谷にある配管や塔のようなもので、温泉をくみ上げているのかと思ったら、火山の蒸気にただの水をかけて、温泉を作り出す設備だったんです。
箱根の温泉は温泉水が湧き出ているのかと思いきや、どちらかといえば人工的に作り出された温泉のようです。
http://www.hakoneonsen.com/jyoukisei.html
先に進むと見慣れない建物が
右下の建物ですね。
近づいてみると
箱根ジオミュージアムなるものができていました。
ぱっとみ金かけたなって箱モノ。(1億かかってるそうです)
箱根は2012年に日本ジオパークに認定されたようで、それをアピールするために2014年にできた施設のようです。
(世界ジオパークではありません)
ちなみに入館料100円
(もう取らなくてもいいんじゃないかって思います。)
建物は二階建てで、1階が展示スペースとなっており、2階はお土産物売り場となっています。
箱根ジオミュージアムと看板を掲げながら、中の展示スペースは狭く展示物はとてもさみしいものでした。
入場者もほとんどいません。
それに比べ、2階のお土産売り場はスペースも広く、大繁盛。
みんな黒たまご食べてました。
ジオパークが意味するのは、地球活動の遺産を主な見どころとする自然の中の公園のことですが、立地、展示内容ともに箱根ジオミュージアムはとても残念なものでした。
お土産売り場はそれはそれで、黒たまごの実演販売でもして1個売りすればいいのに、相変わらず出来上がったものを5個入り500円で売っています。
それでもみんな食べていく黒たまご。
黒たまごは温泉の成分で卵の殻が黒くなるんですから、それを実演して見せてくれたら観光客も楽しいと思うんですけどね。
大涌谷から桃源台へ
ロープウェーの終着駅の桃源台につくと芦ノ湖が見えてきて、
半強制的に海賊船に乗ることになります。
しかもこの海賊船には特別船室と言うものがあり、そこに入ろうとすると追加料金を取られます。
そもそもなぜ海でもないのに、湖に海賊船なのか。
外国人観光客もわざわざ日本に来て、湖で海賊船に乗りたいと思わないでしょう。
せめて日本の日本丸のような帆船のデザインにすれば雰囲気が出るのにと思うんですけどね。
日本丸
箱根の関所
これこそ、箱根の歴史文化を語るうえで重要な施設なんですが、なんか物足りない。
一瞬で見終わってしまいます。
江戸時代250年で誰も無断で突破できなかった関所にも関わらず、なんかイマイチ凄さが伝わらない。
近くの博物館で良く展示物を見ればわかるんですけどね。
正直、箱根は何をしに行くところなのかわからない
箱根は自然や温泉、美術館など観光施設、歴史、文化、なんでもあるように見えますが、いったい年間2000万人の観光客の方は、何を目当てに箱根を訪れているのでしょうか。
箱根は消滅可能性都市
箱根町は2040年までに20~30代の女性が半分以下に減る「消滅可能都市」に指定されています。毎年2000万人が来るブランド力がありながら、箱根という町が崩壊の危機にあるんです。
つまり、箱根に住もうと思う人が減っているということ。
地域の魅力が失われている証拠ではないかと思います。
魅力的な観光地にするために歴史的な価値と日本人の知恵を伝える
箱根は江戸時代に関所とともに発展した歴史的な価値と、東海道の要所としてさまざまな知恵と工夫が凝らされた街道、文化、そして自然があります。
実際に東海道となっていた、杉並木を歩いてみると自然の豊かさに驚かされました。
人の大きさと比べると杉の大きさが伝わるかと思います。
道端を見れば様々な花も咲いています。
江戸時代に参勤交代をしていた人々が同じ景色を見ていたと思うと、400年の歴史を感じさせられました。
ただこういった杉並木を歩いている人が少ないのは、とても残念に思います。
都心のようにITや近代的な技術をアピールするのではなく、
日本ならではの江戸時代からある歴史・文化・自然を継承する場所としての箱根。
そういったものが観光のメインとなってくると面白いと思うのですが。
あとはもっと外国人観光客に対するサービスの充実が必要と思います。
都心からのアクセスが良いため外国人観光客が多いようですので、もっと英語案内などの充実が必要でしょう。
箱根の観光のお得情報
さて、箱根について偉そうなことを書きましたが、最後にお得な情報です。
箱根フリーパス
小田急線の各駅、箱根湯本で購入することができます。
これを使わず、その所々でチケットを定価で買っていると、とんでもなく損しますので、必ず事前購入をお勧めします。
各施設も割引になるのでお得です。
ちなみに新宿からの往復運賃が含まれて2日間有効フリーパスだと5,140円です。
高いですが、これでもお得なので是非購入しましょう。